整体学校と私の記録P18

夫の健友館通いは続き、毎日が充実していました。

 

ある日。。。

久しぶりに会社から帰宅した夫の顔色が悪く、どうしたのか聞いてもなかなか答えてくれませんでした。食事も少ししか手を付けず、大きな溜息をつきました。

「大腸癌だって、、、」

ハッキリと夫の声が聞こえたが、私は「えっ?」

「かなり進行しているらしい」

「あちこち転移もしている」

「数か月みたいだ」「ごめん、今日はこれ以上話したくないから。一人にしてくれ。。。」

私はどう受け止めて良いのか、なんて声を掛けてよいのか、一つも整理が出来ない状態になった。他人事の様な出来事が身近に起こった。何を考えれば良いのか、何を悩めば良いのかも分からず、無の時間が朝まで続いた。

 

整体学校と私の記録P17

<笑いある生活>

翌日も夫はご機嫌でした。頭痛が少し楽になった感じで、「病は気から、なんて・・・」全く無くなったわけではないが、少しでも楽になっただけでも私の心は晴れました。健友館へは1週間に1度行こうと言っていた夫が、3日に1回行こう!と言い出しました。迷わず私もOKです。夫は、夕食の際にも私に色々な話しをするようになりました。会社でのたわいもない話。学生の頃の昔話等もしてくれるようになりました。私はとても嬉しくてしかたありませんでした。夫がこんなに話す人なんて知らなかった。。。料理も手抜きをしているのに、美味しいと誉めてくれたりもするようになりました。これまでの頭痛は何だったのか?とても不思議でなりません。理由はどうでもよくて、とにかく私は、夫とのこの様な生活が暫くでもいいから、続いてほしいと思いました。今まで経験したことのない笑いある夫との生活を楽しもうと思いました。

整体学校と私の記録P16

私は岩盤浴のフロアーに行き、いつものようにリラックスしていましたが、夫の事が気になって仕方ありませんでした。まるで子供を心配するかのように・・・岩盤浴を終えた私は、いつもなら更衣室でゆっくりとくつろぐのですが、直ぐに着替えて1Fに降りました。夫は待合室で待っていてくれました。夫の顔を見ると、にっこり笑って「行こうか」と立ち上がりました。夫が満足していることは聞かなくても分かりました。車に乗ると、「能登までドライブでもするか!」と言い出し、私は「行こう、行こう!」と返事をしました。とてもすっきりしたみたいで、結婚前の遠い昔を思い出してしまいした。夫は「なんか軽くなった感じでね」と話しだし、「1週間に1度通ってみることにしようと思ってね、また一緒にに行くかー」なんて、少し前迄は考えられない会話でした。整体も勿論良かったのでしょう。でもちょっとしたきっかけで、こんなにつまらない私達が変われることに感動です。長い時間を自分自身でつまらなくしていたのでしょう。ここで変わるきっかけができた事で、新たなスタートができそうだと、夫も思ったはずです。ドライブで夫と多くの会話はしませんでしたが、綺麗な海を見ながら夫との時間を過ごして、とても心地よく感じられました。夜は焼肉屋さんに行って二人ともおなか一杯食べてきました。とても充実した楽しい一日でした。

 

 

 

整体学校と私の記録P15

思い出の土曜日

夫とのデート?ではなく、夫と「健友館」に出掛ける土曜日です。とても良いお天気で清々しい朝でした。夫も箪笥の奥から出してきたジーパンと白いシャツを着て、いつもと違う新鮮な感じがしました。もう一つ不思議なことですが、何故だか夫が起きてから頭が痛いという言葉を未だ聞いていませんでした。これまでには無かったことです。私はあえて気づかないフリをしました。何かとても違う空間にいる様でした。夫は車にさっさと乗り、私を待ってくれていました。予約時間の30分以上前に着いてしまう時間でしたが、私も車に乗りました。夫は「久しぶりだな、一緒に出掛けるの・・・」とぽつり。何故か私も色々な思いが込み上げてきそうになりました。ぐっと感情を抑えていると、「健友館」に到着。玄関に入ると、またスタッフの方が笑顔で微笑み迎えてくれました。「ご夫婦ご一緒で羨ましいです」と言われ、少し照れている夫を見て、私はとても嬉しく思いました。

整体学校と私の記録P14

夫と久しぶりのデート?

夫と「健友館」に出かけることに決まってから、とても気分がうきうきしている自分に気づきました。これまで食事すら一緒に出掛ける事なんてなかったのに、、、これまでは特に一緒にどこかへ行きたいという思いもなかったのに、何だかとても不思議です。これまでは岩盤浴の予約は取らずに行っていましたが、夫と一緒だからそうはいきません。「健友館」に電話しました。私は苗字だけを伝えたのですが、スタッフの方は「いつも有難うございます、いつもの岩盤浴で宜しかったですか?」と2度しか行っていない私をちゃんと覚えてくれていました。夫は整体で私は岩盤浴の予約をお願いすると、「健友館」のスタッフは、「ご夫婦でよろしいですね・・スタッフ一同お待ちしております!当日はお気をつけていらしてください!」とても気持ちの良いスタッフの方で、出かける土曜日が待ち遠しくなってきました。

整体学校と私の記録P13

変化

 

何に挑戦するかを考えてから2週間ほどが過ぎ、勝手に一人で焦っていることに気付きました。そもそも簡単に商売をするなんて甘すぎるし、何をしようか考えている時点で間違っていると思いました。とにかく焦るのは禁物、先ずは今を少しずつ変えていけば良いと思い直しました。肝心な日々の生活と言えば、少しずつ完璧すぎる家事を改め、食事の内容も少しずつ変えれるようになりました。夫の頭痛は相変わらず変わりなしでしたが、何故か少し夫婦の会話が増えました。食事でこれまで特に言われたことがない「これおいしいな」という言葉がよく聞けるようになりました。正直、嬉しいですね。私は夫に岩盤浴に行った話をしました。夫は「そんなに安いんだー、いいね」と言ってくれました。夫は、整体院の方に行ってみると言い出し、夫の休みの日に一緒に健友館に行くことになりました。夫婦で一緒に出掛けるなんて何年ぶりなのかも思い出せませんでした。

整体学校と私の記録P12

<岩盤浴2日目>

翌日、私の家事に対する時間が各段と減りました。1度、岩盤浴に行っただけなのに、私にとっては、長年の習慣を簡単に変えられそうな気持ちになりました。夫は変わらず、頭痛に苦しんでいる表情で、いつもと全く違う朝食にも気づかない様子でした。ご飯とお漬物と、おかずは卵焼きだけでしたが、何も言わずにいつもの様に食べていました。そんな夫を見ながら、私はこれまでの時間を取り戻そうと強く決心しました。夫を送り出して、さてこれから何をしようと考えてみるも、特に何のアイデアも出ずにいたと思います。今日も岩盤浴に行くことにしました。2日も続けていくことへの躊躇いはありましたが、そんな思いは何故かすぐにふっきれてしまてました。2回目の岩盤欲もやはり気持ちよかったです。私はこれからのことをゆっくり考えました。リラックスしながら落ち着いて考えれたようにも思います。これまでは専業主婦で過ごしていましたが、何か仕事をしてみようと決心しました。何ができる訳ではありませんが、自分で何か商売をしてみたいと思い立ちました。素人の浅はかな考えでしょうが、私にとっては真剣です。夫に迷惑を掛けずに、自分に出来る事ってなんだろう・・・直ぐには答えはでませんでした。これから何に挑戦するのかをじっくりと検討することにしました。

整体学校と私の記録P11

<初の岩盤浴>

初の岩盤浴は「気持ちいい!!!」の一言です。体の内側から温まるのを実感したと思ったら大量の汗が噴き出てきました。体の悪いものがどんどん外に流れ出ていく感じがたまりませんでした。サウナとは全く違う感じだと思います。体にとても優しい感じでした。料金は2時間1500円位だったと思います。タオルも浴衣もサービスで貸出していてとてもお値打ちでした。設備はとても清潔で心地よく過ごせます。エステサロンに行くより絶対良い選択だったと、自分で自分を誉めたり・・・。この嬉しい感じを、夫に伝えたい気もちもありましたが、やっぱりどこか後ろめたくてか、その日は何も言えませんでした。私はいつもより簡単に家事をこなして、少し早めに寝室に向かいました。体が温かい感じがほんのり残っているような心地よさを感じながら、いつになくグッスリ眠ることができました。岩盤浴に行っただけですが、私の中で何かが変わったのは間違いないと思います。

 

整体学校と私の記録P10

<自分の時間>

夫をいつも通り見送って、掃除・洗濯を終えた私は、思い切って岩盤浴に出かけることにしました。毎日の買物で往復する際に見かけていた「健友館」という整体院が気になっていたので、行き先を迷うことはありませんでした。夫のためと長年勝手に努力した自分へのご褒美に・・・なんて誰に言い訳するわけではないのに、自分が贅沢することはやはり後ろめたい気分になりました。

「健友館」に入ると、爽やかな男性スタッフが迎えてくれました。整体院への私の勝手なイメージとは少し違っていて、とても明るく感じよい空間でした。

岩盤浴のスペースには女性スタッフのみが優しく対応してくれました。予約もせずに訪れた私を皆が快く迎え入れてくれました。とても清潔で高級感もあり、岩盤浴をする前から気分がとても良くなりました。とてもワクワクドキドキした自分を抑えながら、ここに来てよかったと思いました。こんな気持ちになったのも何年ぶりなのか数えることもできませんでした。たかが岩盤浴に来たぐらいで子供のように喜んでいる自分が面白くも感じ、単調に過ごしていた毎日を何だか取り戻せる?なんて気にもなっている自分もいたりして・・・。

整体学校と私の記録P9 

<気持ちの変化>

寝ずに考えた結果、特に良い案はでませんでしたが、少しずつでも夫の体に良いと勝手に思ってやっている過剰なことを減らそうと思いました。良かれと思って23年も続けていたことは、本来の目的だった夫の頭痛の改善には全く繋がっていなかったことに改めて気づかされました。私の時間も無駄に費やしたことになります。食事も掃除も一般的にやっていこうと決めました。そして空いた自分の時間は、何か自分のために使おうとも思いました。何に時間を使っていいのかはなかなか答えがでませんでしたが、とりあえず何だか急に体の疲れを感じたので、前から少し気になっていた岩盤浴に翌日早速出かけることにしました。

ただ、長年の習慣というのは簡単に治せないのか、翌日はいつもとほぼ変わらない一日を過ごしてしまいながら、なんだか自分に呆れて笑ってしまいました。